俺様副社長の溺愛秘書
コンコン。



「失礼します。」



副社長室へと足を踏み入れる。資料を片手に内容をチェックしているようだ。



「コーヒーをお持ちしました。」


「ありがとう、こっちに。」



副社長のデスクの上にコーヒーを置いて、本日のスケジュールを伝える。


じっと耳を傾けて私の話を聞いているようだ。



「以上です。悠木ホールディングとの打ち合わせですが、先方に問い合わせ中です。」


「わかった。明日の朝一に陽輝の資料を頼む。」


「はい。それではご用がありましたらお呼びください。」



私はお辞儀をして背を向けた。



「朱里、金曜も泊まりに来い。」


「…………行けません。」


「何でだ?」



頭だけ副社長へと振り返り伝える。



「金曜は用事がありますので。」



再び、扉へと進もうとしたが―――――。



「ちょっと待て。」


「副社長、何でしょうか?」


「一緒に帰れない?」


「はい。飲み会に誘われましたので。」


「俺も誘え。」
< 90 / 167 >

この作品をシェア

pagetop