俺様副社長の溺愛秘書
扉へと手を伸ばして動きを止めた。



「俺も誘え。」


「高城さんが幹事です。副社長が聞いてください。」


「…………高城ね。」


「はい。ですから金曜は無理です。」



今度こそ、扉を開けて廊下へと出た。私は真央とは違う。



「私は対等でありたい。」



誰もいない廊下に私の呟きだけが響いた。


本日の仕事を進める為に秘書課へと向かう。秘書課へと入れば、すでに真央は席に座り、仕事を黙々と進めていた。


その様子はいつもと変わらない。



「真央、今日のお昼なんだけど一緒にどう?」


「ふふっ、副社長が怒るよ?」


「かも。ってか、もう怒ってるかも。」



苦笑いを漏らせば、クスクスと笑う真央はいつもと変わらない。


明るい笑みに少し安心した。



「ほら、副社長の機嫌でも取った方がいいよ?」


「かもね。真央も?」


「まあ。」



真央も佐伯課長の機嫌を取りたいのだろう。止めていた手を動かし始めた真央に私も仕事を始めた。
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