俺様副社長の溺愛秘書
高城さんからメールだ。開けば―――――。



『悪いけど、飲み会はキャンセルで。』



副社長の圧力が掛かったようだ。仕事をしている高城さんへと視線を向ければ、高城さんも私を見ていた。


両手を合わせる高城さんに首を振った。



『私こそ、すみません。きっと副社長でしょ?』


『佐伯課長も。副社長からは『俺も誘え。』って内線で抗議が来た。』


『ごめんなさい。折角の誘いを。お友達とか怒ってません?』


『副社長が相手だから。今度は副社長込みで話を進めていい?』


『それで宜しければ。』



秘書課内でお互いにメールで会話をしていく。もう一度高城さんへと視線を向ければ、すでに仕事に没頭し始めている。



『本当にごめんなさい。』


『気にしないで。次は本当に副社長も誘うから。』



そこで会話を終了させた。私は内線で副社長へと電話を掛けた。



「何だ?」


「金曜はなしになりました。」


「そうか。」



愉しそうな声に電話を切った。


結局、副社長の思い通りになってしまった。
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