モグラ女の恋
「……っう。何?」



ペロペロと何かに舐められる感触で目を覚ますと、そこにはシッポを振ったクロの姿が。



「クゥ―ン」



朝のご飯の時間か。



私は体を起こして、昨日の出来事を思い出した。



私の隣で寝ている彼が視界の中いっぱいに広がる。



「嘘……あのまま朝まで寝ちゃったんだ」



時計を見ると7時半。



私は仕事が休みだけど、彼は仕事かもしれない。



起こしたほうがいいよね。



絶対に起こしたほうがいい。



でも……



彼に触れようとすると手が固まってしまう。



そんな私の気持ちを感じ取ったのか、クロはソファーの上に乗り、彼の顔を舐め始めた。



「……っ……ん」



私は心の中でクロに感謝する。

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