モグラ女の恋
ピンポーン



すると珍しく私の家のチャイムが鳴った。



来客なんかは一切来ない私の家のチャイムが鳴るのは、何かの勧誘の時だけ。



ピンポーン



「出なくていいの?」



「きっと何かの勧誘なので」



「じゃあ、俺が出てハッキリ断ってくる」



そう意気込んだ彼は私にクロを手渡し玄関へと向かう。



ピンポーン



「はーい」



ガチャ



「えっ?」



玄関からは甲高い女の声が……



「ちょっと待って」



彼はそう言うとすぐにリビングに戻ってきた。

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