モグラ女の恋
次の日、職場へ行くとすごい顔をした西城さんに呼び止められた。



「ちょっといい?」



「はい」



お店の開店時間よりも早く職場に行く私はすべての準備を整えても、いつも30分くらいは時間が余る。



もしも、何かあったらなんて考えてしまう私はいつもこうして余裕を持って出社していた。



その事を知っていたのか、珍しく西城さんも早く来ていた。



私は何を言われるのか冷や冷やしながら、休憩室へと向かう。



昨日のことなのはわかっている。



休憩室に入った西城さんは椅子に腰掛けた。



覚悟をして、私も西城さんの前に座る。



「昨日のことなんだけど」



「はい」



私はどうしてこんな風に睨まれなきゃいけないの?



西城さんの顔を見ているだけで涙が出そうになる。

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