空に虹を描くまで


「あー」

そう言うと、わたしの姿をまた見て目を逸らし「そっか」と呟いた。


陵の反応に思わず、自分の服装をチェックする。

何か変だったかな?

体を捻らせておかしなところがないか確認した。

電車がホームに到着すると、ドアが開いた。


「乗ろっか」

「あ、うん」

陵の誘いにふと我に帰り陵の後ろに続いで電車に乗り込んだ。


休みの日にこうして会えるなんて、本当に夢見たい。

隣にいるのはいつもの陵のはずなのに、心なしか別人のように思える。



それに本来なら今日は家でゆっくりしているはずなのに、こうしてここにいることに驚きと嬉しさが隠せない。


あっという間に学校を通り過ぎ、ガラス工房の最寄駅に到着した。







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