空に虹を描くまで


今朝は早く目が覚めた。

あんまり寝ていないのにも関わらず、気持ちいいほど心地よく目覚めた。


まだ家を出るまでに時間がある。

それでも二度寝する気にはなれなかった。


「おはよー」

制服に着替えると朝食を食べようとリビングに行った。

「あら、佳奈子どうしたの?今日学校?」

「そう。急に行くことになって」

「そうなの?大変ねー」
他人事のようにそう呟いた。

全然大変って思ってないでしょ。その言い方。

お母さんはトーストと目玉焼きを焼いてくれ、わたしはすぐに完食した。

「コーヒーでも飲もうかな」

そう呟いて席を立つと、お母さんは驚いたように振り返った。

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