空に虹を描くまで
海くんとそんな話をしている間に部室へとたどり着いた。
「ちーっす」
海くんは陽気に挨拶をしながら部室へと入った。
「おはよう」
海くんの後に続いて挨拶をしながら入った。
「佳奈子!おはよう!曲できたんでしょ?なんかわたし昨日からもうテンション上がっちゃって」
「俺も早く聴きてー」
ギターを降ろしながら海くんが言った。
「お前は先にチューニング」
祐介に注意され「はいはい」と渋々返事をしながらチューニングをしだした。
「今回は、前よりもかなり自信あるんでしょ?」
「ま、まあ…」
「へー、そりゃ楽しみだな」
眩しい。
そんなキラキラした目で見ないでほしい。
確かに前と比べるとかなり自信はあるけど、由美たちに気に入ってもらえるかはまた別の話だ。
今更もう完成した曲をどうすることもできないけど、急にプレッシャーの重みを感じた。