空に虹を描くまで
「じゃあ祐介に渡しとくよ」
「え?」
財布から1000円札を取り出した。
「祐介がいつも管理してるんでしょ?もし必要ないって言われたら文化祭終わった後にジュースでも買おうよ」
「いや、いいよ、必要って言われたときにもらうから」
「いいじゃん。はい」
わたしは無理やり祐介の手のひらにお金を乗せた。
文化祭までの約3ヶ月部活にいるとしても、たったの900円。
「わたしすぐに忘れちゃうから先に3ヶ月分渡しといてもいい?」
「しゃーねーな。もうもらっちゃったし」
「ふふ。ありがとう」
わたしが渡した1000円札を入れようとポケットから財布を出した。
「んじゃ、はい。お釣りの100円」
「あ、今はいいよ」
「は?」