空に虹を描くまで
女の子にはないたくましさを感じた。
そりゃそうだよね。
陵は男の子だし…。
分かっていたことだけど、突きつけられた感じがあってまた恥ずかしくなった。
「お待たせ」
目の前にはペットボトルに入った紅茶があった。
手から視線をたどっていくと、陵が笑顔でこちらを見ていた。
「何が飲みたいか分からなかったから、適当に買ったけど…。紅茶嫌い?」
「え?ううん、好き」
首を横に振りながら否定した。
「ははっ、よかった」
笑いながら陵は再びわたしの隣に腰掛けた。
「あ、お金…」
「かばんから財布を出そうと手を伸ばした。
「いいよ。俺が勝手にしたことだから」
「…ありがとう」
わたしは手を止めた。
そういえば、前にもこんなことあったな。