空に虹を描くまで


「り、陵…?」

陵の反応がよく分からず戸惑う。

顔を覗き込めば覗き込むほど、視線が離れて行く。


急にどうしたんだろう?


「…っこ悪い」

「え?なに?」

言葉が聞こえず聞き返した。

くるりと顔をわたしに向け、視線が重なった。

「独り言」
優しく微笑みながら言った。

何を言ったのか気になったけど、その陵の笑顔を見ると、それだけで全てが吹き飛んだ。


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