空に虹を描くまで
そしてまた、わたし達は祐介の家に集まっていた。
もちろん練習するためだけど、歌詞が完成したからみんなに聞かせていたのだ。
陵と会ってから2週間近く経ち、夏休みも残すところあと数日。
演奏の練習ばかりしていても、歌が入ると、またガラリと雰囲気が変わるだろう。
今回もかなり苦戦した。
作曲は少しやったことがあったけど、作詞なんて初めてだ。
どんな風に取り掛かればいいのか分からず、とりあえずテーマの『今』と言うキーワードをできる限りノートに埋めて、そこから言葉をつなげて歌詞を書いていった。
どういうやり方が正しいのか分からない。
教えてもらったことなんてないんだもん。
だけど、ふとした時に何かが降ってくるような…ひらめきが落ちてきた。
全く歌詞のとこなんて考えていない時に、ふとしたワードが頭に思い浮かぶ。
それを忘れないように、メモしたり、スマホに記録した。
そういう積み重ねでやっと歌詞を書くことができた。
「ど、どうかな…?」
キーボードで軽く弾きながら歌詞を当てはめてみんなに聞いてもらった。