空に虹を描くまで


楽しそうに騒いでいる人、コスプレをしながら宣伝をしている人、忙しいのか廊下を素早くかけていく人、いろんな人がわたし達の横を通り過ぎていく。

みんな、この文化祭のために色々準備をしてきた。

わたしだってその中の一人だ。

文化祭を盛り上げようと、みんなそれぞれ動いてきた。


この文化祭が終われば、わたしはバンドの活動が終わってしまう。

だけど、それは終わりじゃない。

また次のステップへと進むための、スタート地点に立っただけ。

そのための準備を今しているんだ。


「席、満席だなー」

体育館に着くと、中は大勢の人で賑わっていた。

休憩がてら見に来る人も多いんだろう。

いよいよ、前のバンドの演奏が終盤へと近づいてきた。


「そろそろだな」
海くんが小さくつぶやいた。

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