空に虹を描くまで
ばっと由美に抱きついた。
涙が出そうなのを必死にこらえながら、「ありがとう」とつぶやいた。
「ふふふ。よしよし」
まるで子供をあやすみたいに優しくわたしの頭を撫でてくれた。
わたしは本当に恵まれている。
こんないい友達がいるなんて、幸せものだ。
「佳奈子もお腹すいたでしょ?なんか食べに行こうよ」
「えー、由美まだ食べるの?」
目をこすりながら、涙を拭いた。
「当たり前じゃん」
まだまだ食べられる、と言わんばかりに笑顔で答えた。
その様子におかしくなって口から笑いが溢れる。
一体どれだけ入るんだろう。
さっきもかなりの量を食べていたけど…。
「わたしもいっぱい食べよ」
今なら食べられそうだ。
わたし達もゆっくりと体育館を出た。