空に虹を描くまで
だから別に【普通】を批判するわけじゃない。
そういう未来を想像すると、それは別に悪くない何て思う。
ーー結局は【普通】が1番無難なんだ。
自分に言い聞かせるようにそう思い込んだ。
そんなことを考えながら目線を下に落とした。
「あー!」
ノートを持っていないことに気づき思わず叫んだ。
「な、なに?どうかした?」
由美はわたしの急な叫びにビックリして目を見開いて言った。
「忘れ物した!教室戻るから先行っててー」
後ずさりしながら由美にそう言うと、くるりと体を教室のほうへ反転させた。
次の授業までまだ時間あるかな...
そんな心配をしながら、駆け足で教室に向かった。