空に虹を描くまで


「ここに座ってて」
指定された席に腰掛けてまわりを眺めた。

こんな素敵なカフェが家の近所にあったら、毎日通ってしまいそう。


「実は昨日クッキー作ったの。よかったら食べて」

白いお皿に花柄の紙ナプキンが添えられ、美味しそうなクッキーと一緒に紅茶を運んでくれた。


「ありがとうございます」

こういう暮らしに憧れる。

午後にゆっくりティータイムとか家でもやってみたいもんだ。


「この食器も手作りですか?」

「そうよ」
梓さんは自慢げに笑った。

早く自分で作ったガラスコップも使いたい。

なんて言ったって、世界で一つしかないわたしのオリジナルなんだから。

紅茶の入ったコップを眺めた。

味も数段と美味しくなる気がする。


「お店もですけど、2階も素敵ですね」

「ほんとー?ありがとう!」
梓さんは続けて言った。

「わたしが考えたの。壁紙から電球、家具、インテリアまで全部」

「え、そうなんですか?すごいですね!」

「わたし、こう見えてもインテリアコーディネーターの資格持ってるのよ」

「 えー!すごい!多才ですね」


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