空に虹を描くまで
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日曜日の夜カップケーキを作った。
色々お世話になったお礼に、何かしたいなとあれからずっと考えていた。
梓さんがクッキーを焼いてくれたから、それならわたしもと、結局お菓子を作ることにして、同じクッキーだと面白くないからカップケーキにしてみた。
クッキーの方が自信はあったんだけど。
普段は休みの日でもお菓子を作ったりすることはない。
バレンタインデーでも、わたしはいつも市販の商品を買う派だ。
お母さんに作り方を聞くと、目を丸くして驚いていた。
「誰かにあげるの?」
「そうだよ」
「へー」
そう言いながらニヤニヤしだした。
その表情からお母さんが何を言いたいのか大体察しがつく。
「そんなんじゃないからね!」
お母さんが変なこと考えないように、わたしは念を押した。
完成したカップケーキをお父さんにあげると「うまい!」って喜んでくれたから、味は大丈夫だと思う。
手作りものだけじゃ少し物足りないなと思い、百貨店で手土産も買った。