想い心と罪心【短編】
近くの公園に足を止め、木に背をあずけながら座り込んだ。
傘を隣に置き、まだ降り続く雨の雫が葉の隙間からこぼれおちる。
もう、彰斗に合わせる顔がないよ。
彰斗を待たせて傘にも入れてあげずに、しかも最後は逃げ出して。
最低だ。
あのこ、すごい彰斗のカバーしてた。
いいこだなぁ。
さっきのことを思いだす。
一生懸命な瞳。
きっと彰斗のこと好きなんだ。
下の名前で呼んでるあたり仲もよさそう。
もしかして彰斗も…………
じわ~っと目の奥があつくなる。
家に送ってくれるって言ったのは別れ話するため?
この前デートしてくれなかったのは私となんか出掛けたくなかったから?
考えれば考えれるほど悪い想像ばかりしてしまう。