想い心と罪心【短編】

近くの公園に足を止め、木に背をあずけながら座り込んだ。



傘を隣に置き、まだ降り続く雨の雫が葉の隙間からこぼれおちる。



もう、彰斗に合わせる顔がないよ。



彰斗を待たせて傘にも入れてあげずに、しかも最後は逃げ出して。



最低だ。



あのこ、すごい彰斗のカバーしてた。



いいこだなぁ。



さっきのことを思いだす。


一生懸命な瞳。



きっと彰斗のこと好きなんだ。



下の名前で呼んでるあたり仲もよさそう。



もしかして彰斗も…………


じわ~っと目の奥があつくなる。



家に送ってくれるって言ったのは別れ話するため?



この前デートしてくれなかったのは私となんか出掛けたくなかったから?



考えれば考えれるほど悪い想像ばかりしてしまう。



< 14 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop