想い心と罪心【短編】
甘い甘い、二人だけの時間。
他の事なんてどうでもよくなってしまう。
唇が離れ、視線が交わる。
「俺の気持ち」
そう言って、めったに見せない優しい笑顔を見せてくれた。
素直に『好き』って言葉を口に出来ない彰斗がすごく可愛くて私も笑顔になる。
彰斗の気持ち、伝わったよ。
好きって言ってくれないのがちょっともどかしくて、素っ気ない態度に不安になるけど、たまに出る強引な行動や優しさに愛を感じる。
「あっ」
彰斗がハッとしてポケットから何か取り出した。
「あげる」
私の手に乗せられたのはアップルティー。
何故にアップルティー?
「そこの自販機に売ってた。この絵、咲が好きそうだから」
缶に目を戻すと確かに可愛らしいパンダの絵がある。