想い心と罪心【短編】
「あーきーとー」
「うるさい」
彼がゴロンと半回転し、私に背を向ける。
「今日はバイト始まるまで寝るから」
すーっと静かな部屋に寝息がたつ。
ムッカー。
彼女が早起きして訪ねてきたのに何よこの態度。
信じらんない。
「彰斗のバーカ。一生寝てろ」
わざとバタンと大きな音を立てドアを閉め、ドタドタ力強く階段をかけおり彼の家を出た。
さっき通ったばかりの道を引き返す。
何よ。
何よ何よ。
会えばいっつも眠そうで。
私が話しても聞いてるんだか聞いてないんだか分かんないし。
最近、手繋いだりキスしたり、恋人らしいことだって全然してない気がする。
彰斗は……
彰斗は本当に私のことが好きなの?