想い心と罪心【短編】
おまけ
時田先輩が去った後、彰斗くんが慌てて後を追った。
私がさっき言いかけたこと、それは校門の前で時田先輩を待つ彰斗くんが私に話してくれたこと。
『咲がこない。昨日俺が咲に冷たくしたからか、嫌われたかも』
『でも雨降ってるから帰ろう。バイト遅れちゃうでしょ。私が傘の中入れてってあげる』
『うーん。でも、こうして待ってれば心配して来てくれるから』
すごい大切に想われてるんだなって思った。
私の入る隙なんてないんだって。
諦めなきゃ、そう思って彰斗くんが時田先輩を追うのを眺めていたけと、すこし期待して私も二人をおいかけた。
もしかしたら別れるんじゃないか、っと。