想い心と罪心【短編】
彰斗くんは先輩を見つけるなりすぐに駆け寄るかなって思ったら、マイペースに公園の前で紅茶なんて買ってる。
これはもしかして………なんて淡い期待を持ったのもつかの間、彰斗くんたちはいいムードに。
キスした時なんか、心が壊れてしまうんじゃないかってくらい胸がいたんだ。
「あーあ」
さっき彼がいた自販機に寄りかかり、息をつく。
失恋………かぁ。
「………帰ろ」
そう思い、自動販売機から離れたとき、あることを思い出した。
『ここの自販機、恋の引力がはたらくんだよ』
昔、友達からそんな話を聞いた記憶がある。
その子はOLの話を盗み聞きしたらしい。
恋を運ぶ引力や一歩踏み出すための引力。
確かそんなのがあるって聞いた。