想い心と罪心【短編】
「下校時間だぞー。かえれー」
「「はーい」」
朋ちゃんと私は声を揃えて返事をする。
「よしっ、咲。帰ろっか」
「うん」
鞄を持って立ち上がり、私たちは玄関へと向かった。
靴に履き替え玄関から出ると、さっきより凄い雨が地面を濡らしていた。
「うわーヤバッ。朋ちゃん、早く帰ろう」
そう声をかけ、隣の友達を見ると何故か彼女は笑っていた。
どうしたの?
そう声をだすまえに、彼女の視線の先の人物に気づいてしまった。
彰斗………。
「咲、私先に帰るわ」
「えっ、ちょっ」
「じゃあね~」
彼女はサッと傘を開き私が口を開く間もなく走って行ってしまった。