【電子書籍化】王宮侍女シルディーヌの受難
「関係大有りだな。ソイツは、俺の女だぞ」
「な!? うそだろぉ! マクベリー! こんな女だぞぉ!?」
カーネルはアルフレッドとシルディーヌを交互に見て、引きつりながらも媚びるような笑顔を作った。
なんとかして、現状を打開しなければならないのだ。乏しい頭を必死に回転させている。
「マクベリーなら、もっといい女がより取り見取りだろぉ? さっきまで、いい女と仲良くしてたじゃないかぁ。このぉ、うらやましいぞぉ!」
「……カーネル、その汚い腕を切断されたいか? それとも無駄口を叩けないよう舌を斬るか。いや……二度と息ができないように、喉を斬るか」
アルフレッドは淡々と言い、カーネルの腕から口元にかけてゆっくり剣先を移動させ、最後に喉に突きつけた。
鬼神の気を纏った非情な瞳に見据えられ、カーネルは脂汗をだらだらと流してごくりと喉を鳴らす。
「ほ、本気、かぁ? そ……そんなことが、お前にできるはずないだろう」
「できるぞ。俺は、黒龍騎士団の団長だからな。コイツを避けて貴様だけを斬ることなど容易だ」
アルフレッドは剣を握る手にグッと力を込め、冷ややかに微笑む。本気で斬るつもりなのだ。
「安心しろ。一気にはしない。俺の女に触れたことを、心の底から後悔する時間を与えてやる。ゆっくり時間をかけて、なぶるように、斬る」
「うひっ、待ってくれよ! 離すよ! 返せばいいんだろぉ。なんだよ、こんな女、こっちから願い下げだぁ!!」