メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*
明かされる過去。
*夏音side*
早朝六時五分―。私の愛しい彼はまだ夢の中。あどけない可愛らしい寝顔で眠っている。
『~~。なんかヒリヒリするなぁ……。』
いつもより、やや赤くぷっくりと膨らんでいる唇を指でちょこっとつまみ、洗面台の鏡を覗き込む。
冴木君の部屋に泊まった日。我儘言って良いよと言ったばかりに彼の甘えスイッチがオン。
それから色々と彼の甘えを受け入れた私。
そのうち小悪魔な彼が顔を出し、ちょっと恥ずかしくなるような要求にも答えたせいか…思い出すと顔が熱くなる。