メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*

「大丈夫?…やっぱり顔色悪いね。」

『なんか急に気持ち悪くなって。…あの、ありがとう…レジ代わってくれて。』

「ううん、俺こそ気付くの遅くなってゴメン。…立てそう?カウンター座ろっか。」

『うんっ…。』

目の前に差し出された手に自分の手を重ねると力強く握り返されて、ゆっくり立ち上がらせてくれた。

カウンター席に座って吐き気が治まるのをじっと待つ。
その間、冴木君はずっと隣に座って、手を握っていてくれた。

「幾斗ー?夏音ちゃーん?賄いどう…って…どうした?!」

いつもなら冴木君がお腹減ったと騒ぐのに、今日は騒ぐ声が聞こえてこない事に違和感を覚えたのか厨房からひょっこりと顔を出して驚きの声を上げた。
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