メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*

出来る訳ないじゃない。後ろは食器棚があるからガラスが割れでもしたら怪我しちゃうよ。

だから出来るだけ控えめに力を入れて体を引き離した。

『こういう事、いくら酔ってるにしてもしない方が良いと思いますっ!』
「ふっ。…ん、そうだね、もうしないよ。おやすみ。」

意地悪な笑みを浮かべて満足気に伸びをしながら寝室に入っていくのを確認してから、小さな声でおやすみなさいと挨拶をした。

…翌日、楓さんは宣言通り荷物をまとめて実家に帰ってしまった。
最後もあまりに呆気ない挨拶で……
〝「じゃっ、皆さんお元気で」〝
というたった一言だけ。
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