メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*
『…っ!…はいっ!…ありがとうございます。…行ってきます。』
「…うん。それじゃ、気を付けてね。」
『はいっ、失礼します。』
通話を終えて、もう一度深呼吸。
よし、次はタクシーを手配しなくちゃ。
タクシー会社に連絡すると15分程で来れるみたいだ。
すると、ふと幾斗の顔が頭の中に浮かんできて今すぐ会いたくなった。本当は一緒に来て貰いたい…私の一番傍に居て欲しい大好きな人。
ぎゅっとスマホを握り締め、ペアリングに指を添えて心の中で行ってくるねって告げた。
タクシーの到着時間が近付いてきて玄関の鍵を閉めた時、スマホが誰かからの着信を知らせている。