メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*
まだ少し眠たそうな夏音を半ば強引に抱き寄せ車を降りると凄い早さで走り去ってしまった。
……明日、全てが解るんだ。どんな瞬間を目の当たりにしたとしても、冷静で居よう。
夏音に風呂掃除を頼んで、俺は夕飯作り。
約束通りオムライスにした。マスターみたいにまだ完璧じゃないけど、最近は旨く作れるようになった。
「…いつか夏音のお父さんにも食べて欲しいな。」
無意識のうちに口走っていた。
不意に自分の父親を思い出す。夏音のお父さんみたいに柔らかい印象じゃなかったし…あんまり記憶も無い。
──ぎゅっ。