メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*
兆し
夏音side
お父さんが事故に遭い、あれから3ヶ月が経ったある日の事。
幾斗のお弁当を作っている時に私の携帯に1本の電話が入った。電話の相手はお姉ちゃんで、それは喜ばしい内容で。
『意識が、戻ったのっ?!』
「(そうなの!指をね、目で追ったの!)」
『お父さん、何か話せるの?私達の事分かるかな?!』
あまりの嬉しさに次々に質問を投げてみたけど、お姉ちゃんは言葉を詰まらせてしまっていた。
「(…それがね、夏音…。)」
『え…?お父さん、意識戻ったんだよね?前みたいに普通に話したりとかー』
「そこまで回復するには…まだまだ時間がかかると思う。」
『どういう、事…?』