幼馴染は関係ない
3話
※高校生の性行為を推奨しているわけではありません。
新君の私に対する気持ちはなんなの?と悩んで落ち込む。
それを払拭したくて、初めて私から新君を誘ってみた。
『明日、予定ありますか? もし、よかったら、会えませんか?』
すると新君から、
『下村さんから誘ってくれるの初めてだね? すごく嬉しいよ。
いつもの喫茶店でいつもの時間でいいかな?』
とすぐに返信が来た。
私もすぐに場所と時間を了承する返信をした。
新君、私からの誘い嬉しいって・・・。
その一言だけで、じわじわ胸が温かくなる。
そして、その約束の日に、私達はお付き合いを始めることになった。
新君は、
「実は、小学生の時・・・下村さんの事、可愛いって思ってて・・・」
と、急に話し始めて、私は心底驚いた。
「上尾君から下村さんに話しかけるなって言われたんだけどね」
と新君は苦笑。
「え?」
「上尾君、下村さんと仲良かったよね?」
「えっと・・・仲は良くなかったと思うけど?」
私と竜生は、どちらかというと口喧嘩ばかりしていた仲。
「え?・・・でも、上尾君、僕が下村さんに話しかけるの迷惑がってるって・・・」
「竜生がそんな事?」
「・・・やっぱり、仲いいんだね。 呼び捨てしてるんだ」
と新君は落胆した顔をした。
「幼馴染なの、それだけ」
「家が近いの?」
と訊かれて私は頷く。
「少なくとも僕と二人で会ってくれるって事は、今は彼氏はいないんだろうって思ってるんだけど・・・」
「彼氏なんて居たことないよ。 もしかして、私と竜生が好き同士とか思ってたの?」
「ずっと、そうなんだろうなって・・・中学も離れたし、いい機会だから下村さんへの気持ち卒業しようって思ってた」
私への気持ち、卒業しちゃったのかな・・・。
もう何年も経ってるもんね・・・私は俯いた。
竜生はどうして私へ嫌がらせばかりしてくるの?
私が新君を好きだったって知ってたくせに。
「だけどね。 気持ちってそんなに簡単じゃなくて」
新君が話を続けてくれた。
私は期待してパッと顔をあげる。
「下村さんのちょっとドジなところとか気になって、始めは 大丈夫かな?って目で追う様になったんだけど、そのうち、この子すごい可愛いなって・・・。
中学の時は他に好きになれる子なんて居なくて、今 下村さんに会えるようになって、やっぱり僕は下村さんが好きなんだって再確認したんだ」
少し赤くなりながら、新君はそう言ってくれた。
「あの・・・私・・・小学校の頃から新君が好きだったの」
私は思い切ってそう告げた。
「え?」
「新君じゃなかったら、こんな風に二人で会おうとも思わなかった」
「じゃあ、あの・・・僕と付き合ってくれる?」
新君のそのセリフに私はすぐに頷いた。
それから新君とは喫茶店以外でもデートして、新君のお家にも遊びにいかせてもらった。
私の家に来てもらったこともある。
本当に順調に私達はお付き合いを続けた。
手を繋ぐ事に慣れ、時々腕を組んだりもした。
キスをして・・・そして・・・。
私は新君のお部屋で初めてを経験した。
それは、お付き合いして半年ほどが経ったバレンタインデー。
こんなに美しい人と付き合うだけでも夢じゃないかと毎日思っていたのに、私の事を本当に求めてくれているのだと実感できる行為に目眩がした。
穏やかで優しい人・・・そう思っていたのに、情熱的で男らしいところもあったのだと、そんな風に思った。
そして、私は今までよりもっともっと新君を好きになった。
なのに・・・。
新君のお父さんが北海道へ転勤することになった。
未成年の息子を残してはいけない。というのがご両親の意見。
新君はお姉さんの家に居候させてもらう事を願い出たけど、まだまだ新婚のお姉さん夫婦に迷惑はかけられないとご両親は言ったのだと・・・。
3月下旬、新君は北海道へと行ってしまった。
私に、
『僕はずっと花音が好きだよ。 絶対に帰ってくるから』
という約束を残して。
新君とお付き合いしていることを竜生に話したことはない。
どうせまた何かと邪魔してくるのだと思ったから。
竜生は私が幸せだと思うことを邪魔して楽しんでいるのだと思った。
どうしてそんなに嫌われたのか分からない。
だけど、理由が分からなくても、竜生の嫌がらせを止める方法はある。
私が竜生に本当の事を言わないことだ。
「お前彼氏出来たか?」
と訊かれれば、
「できていない」
と答え。
「そういえば中元とはどうなった?」
と訊かれれば、
「会っていない」
と答えた。
私の家に新君を呼んだ時も、竜生が
「あ~、明日デートなんだよな~。 いや~モテる男は暇がないな~。
お前はどうせ暇な休日だろ?」
と言った日。
竜生がでかけるなら新君と一緒に居る所を見られることは無いと思った。
本当は、竜生を気にした生活をするのは嫌だったけれど。
すでに一度、新君との仲を竜生に壊されている。
そんな事、もうされたくなかった。
・・・だけど、竜生にバレなくても、新君とは離れ離れになってしまった。
私、何か悪い事したんですか?
空を見上げて、神様にそう訊いてしまう自分がいた。
新君の私に対する気持ちはなんなの?と悩んで落ち込む。
それを払拭したくて、初めて私から新君を誘ってみた。
『明日、予定ありますか? もし、よかったら、会えませんか?』
すると新君から、
『下村さんから誘ってくれるの初めてだね? すごく嬉しいよ。
いつもの喫茶店でいつもの時間でいいかな?』
とすぐに返信が来た。
私もすぐに場所と時間を了承する返信をした。
新君、私からの誘い嬉しいって・・・。
その一言だけで、じわじわ胸が温かくなる。
そして、その約束の日に、私達はお付き合いを始めることになった。
新君は、
「実は、小学生の時・・・下村さんの事、可愛いって思ってて・・・」
と、急に話し始めて、私は心底驚いた。
「上尾君から下村さんに話しかけるなって言われたんだけどね」
と新君は苦笑。
「え?」
「上尾君、下村さんと仲良かったよね?」
「えっと・・・仲は良くなかったと思うけど?」
私と竜生は、どちらかというと口喧嘩ばかりしていた仲。
「え?・・・でも、上尾君、僕が下村さんに話しかけるの迷惑がってるって・・・」
「竜生がそんな事?」
「・・・やっぱり、仲いいんだね。 呼び捨てしてるんだ」
と新君は落胆した顔をした。
「幼馴染なの、それだけ」
「家が近いの?」
と訊かれて私は頷く。
「少なくとも僕と二人で会ってくれるって事は、今は彼氏はいないんだろうって思ってるんだけど・・・」
「彼氏なんて居たことないよ。 もしかして、私と竜生が好き同士とか思ってたの?」
「ずっと、そうなんだろうなって・・・中学も離れたし、いい機会だから下村さんへの気持ち卒業しようって思ってた」
私への気持ち、卒業しちゃったのかな・・・。
もう何年も経ってるもんね・・・私は俯いた。
竜生はどうして私へ嫌がらせばかりしてくるの?
私が新君を好きだったって知ってたくせに。
「だけどね。 気持ちってそんなに簡単じゃなくて」
新君が話を続けてくれた。
私は期待してパッと顔をあげる。
「下村さんのちょっとドジなところとか気になって、始めは 大丈夫かな?って目で追う様になったんだけど、そのうち、この子すごい可愛いなって・・・。
中学の時は他に好きになれる子なんて居なくて、今 下村さんに会えるようになって、やっぱり僕は下村さんが好きなんだって再確認したんだ」
少し赤くなりながら、新君はそう言ってくれた。
「あの・・・私・・・小学校の頃から新君が好きだったの」
私は思い切ってそう告げた。
「え?」
「新君じゃなかったら、こんな風に二人で会おうとも思わなかった」
「じゃあ、あの・・・僕と付き合ってくれる?」
新君のそのセリフに私はすぐに頷いた。
それから新君とは喫茶店以外でもデートして、新君のお家にも遊びにいかせてもらった。
私の家に来てもらったこともある。
本当に順調に私達はお付き合いを続けた。
手を繋ぐ事に慣れ、時々腕を組んだりもした。
キスをして・・・そして・・・。
私は新君のお部屋で初めてを経験した。
それは、お付き合いして半年ほどが経ったバレンタインデー。
こんなに美しい人と付き合うだけでも夢じゃないかと毎日思っていたのに、私の事を本当に求めてくれているのだと実感できる行為に目眩がした。
穏やかで優しい人・・・そう思っていたのに、情熱的で男らしいところもあったのだと、そんな風に思った。
そして、私は今までよりもっともっと新君を好きになった。
なのに・・・。
新君のお父さんが北海道へ転勤することになった。
未成年の息子を残してはいけない。というのがご両親の意見。
新君はお姉さんの家に居候させてもらう事を願い出たけど、まだまだ新婚のお姉さん夫婦に迷惑はかけられないとご両親は言ったのだと・・・。
3月下旬、新君は北海道へと行ってしまった。
私に、
『僕はずっと花音が好きだよ。 絶対に帰ってくるから』
という約束を残して。
新君とお付き合いしていることを竜生に話したことはない。
どうせまた何かと邪魔してくるのだと思ったから。
竜生は私が幸せだと思うことを邪魔して楽しんでいるのだと思った。
どうしてそんなに嫌われたのか分からない。
だけど、理由が分からなくても、竜生の嫌がらせを止める方法はある。
私が竜生に本当の事を言わないことだ。
「お前彼氏出来たか?」
と訊かれれば、
「できていない」
と答え。
「そういえば中元とはどうなった?」
と訊かれれば、
「会っていない」
と答えた。
私の家に新君を呼んだ時も、竜生が
「あ~、明日デートなんだよな~。 いや~モテる男は暇がないな~。
お前はどうせ暇な休日だろ?」
と言った日。
竜生がでかけるなら新君と一緒に居る所を見られることは無いと思った。
本当は、竜生を気にした生活をするのは嫌だったけれど。
すでに一度、新君との仲を竜生に壊されている。
そんな事、もうされたくなかった。
・・・だけど、竜生にバレなくても、新君とは離れ離れになってしまった。
私、何か悪い事したんですか?
空を見上げて、神様にそう訊いてしまう自分がいた。