幼馴染は関係ない
7話
バスに乗って喫茶店に着いた。
「いらっしゃい!」
「花音ちゃん、待ってたよ」
と奥さんとマスターが笑顔で私達を迎えてくれた。
・・・しかも、常連さんも集合状態なんですけど!? と私は苦笑。
みんな、私ではなく隣の新君を見てるのは何故なんですか?
「・・・なんか、すごい見られてる?」
と新君は不思議そう。
「今いるお客さん、常連さんばかりなの・・・」
「ここでバイト始めたって聞いてたけど、花音はみんなに可愛がられてるんだね?」
と新君は笑った。
「え?」
「だって、花音が休みの日 ここへ来る時にどんな人と一緒なのかみんな気になったって感じなんじゃないの?」
「ん?」
みんな、私が一緒なのは新君だって知ってるけど?
「今日、ここにご飯食べに来るって話してあったんでしょ?」
「うん」
「だから、常連さんまで揃ってるんじゃないのかな?」
「・・・それは、きっと、どんな人と一緒か気になってるからじゃなくて、新君を久々に見たかったんだと思うよ?」
「え、僕?」
「うん、私達って、このお店では有名だったんだって」
「そうだったんだ?」
いつも食べていた定番のメニューだけじゃなく、マスター一押しの新作まで私達はお腹一杯食べた。
「サービス」
と、かなりお代をまけてもらってしまって、申し訳なかったけど、
「その分、デート代にしてね?」
と奥さんは笑ってくれた。
その気持ちをありがたく受け取る。
「ありがとうございます。 明後日からまたよろしくお願いします」
と私は頭を下げる。
明日もお休みをもらっているから。
新君は、
「ありがとうございます。 とてもおいしかったです、ご馳走様でした」
と王子様スマイル。
奥さんもマスターも嬉しそう。
「これからどうする?」
「そうだね。 何したい?」
「えっと・・・う~ん。 何したいって別に無いけど、ただ一緒に居たい」
私が新君を見上げると、新君も頷いて、
「僕も花音と一緒にいられるってだけで嬉しくて、何しようとか考えてなかった」
と苦笑した。
手を繋ぎながら私達は街をブラブラ。
毎日してる電話の様に、お互いの日常のことを話たり、いつも話題に上がっているお友達の写真をスマホで見せてもらったり。
北海道でも進学校に編入したと聞いていたのに、お友達は楽しそうな人ばかりだった。
変顔の写真が多いし。
時々女の子が写っていて、私は「誰?」と訊いた。
「ん? ああ、この子、隣に写ってる瀬川と付き合ってる子だよ」
「そうなんだ」
と頷くと、新君は少し考え、
「もしかして、やきもち?」
と言った。
「あ・・・あの・・・そう、やきもち かな?」
と私は苦笑する。
「なんだか、ちょっと・・・いや、かなり嬉しいかも?」
と新君。
「え?」
「やきもちってさ、興味無い人に対してしないんじゃない?」
「うん」
「だから、花音が僕を好きだからやきもちやいてくれるんだなって思ったんだ」
「そうだね? 私が会えない時間、他の女の子が新君と過ごしてるだって思ったら・・・」
私は少しウルッとしてしまう。
「ごめんね・・・絶対帰ってくるから」
「うん」
「好きだよ・・・」
新君は私を優しい眼差しで見つめてくれていて、新君からの好きをいつまでも聞いていたいって思った。
「あ!?そうだ! 花音にプレゼントしようって思ってたんだ」
「何を?」
「何か身につけてもらえる物」
「え?」
「さっきの瀬川達の話しなんだけど、彼女が瀬川から指輪をもらったって凄いはしゃいでて」
「うん?」
指輪?
「僕、そういうの花音に渡さないまま北海道に来ちゃった事、後悔したんだ」
「え?」
「花音に僕がプレゼントした物を毎日身につけてもらえたら凄く嬉しいなって思ってさ」
「・・・それは私も嬉しいけど」
「だから、何かプレゼントしたい」
指輪を?
「えっと・・・」
私は何て言ったらいいのか・・・指輪ってとても特別な人に渡すってイメージがあるから。
「指輪はさすがにダメだから、他の物」
えっ!? 指輪じゃなかったの?
「あ・・・うん」
「校則でアクセサリー禁止とかあるだろ?」
「え? あ、うん」
そう言えば、華美にならない服装ってなっている。
普通に指輪やピアスをしてきている人はいるけど生活指導の先生にいつも呼び出されている。
「だから、一見 目に付かない物がいいかな?って」
「そっか! 没収されたら困るもんね! じゃあ、ネックレスかな?」
「それ、買いに行こうか?」
「ありがとう! すっごく嬉しい!」
新君がそんな風に思ってくれた気持ちが本当に嬉しい!!!
二人で色々見て回った。
なかなか決められない私に新君は「焦らなくていいよ。 他に予定もないんだし、ゆっくり決めよう?」と凄く優しい。
「うん、ありがとう」
「気に入ったものが無いなら他のお店に行こうか?」
「違うの、こっちとこっちで迷ってて・・・」
私はピンクゴールドでトップに卵型に天使の羽根モチーフが付いた物と華奢な鍵モチーフの物で悩んでいた。
「そうなんだ? どっちも買おうか?」
と言ってくれたけど、それはさすがに・・・。
「新君は、どっちが好き?」
「僕? ・・・こっち、絶対こっち」
と指をさされた鍵のプチネックレスに決めた。
包装はしてもらわないで、新君が私の首にそのネックレスを着けてくれた。
そして、後ろから耳元でそっと
「花音の心は僕以外、誰にも開かないで・・・花音の心に鍵をかけるから」
と囁いた。
・・・え?
今のは、ネックレスのトップが鍵だから!?
だから、そんなセリフを思い付いたの!?
驚いて私は勢いよく振り返る。
すると、新君は真っ赤だった。
その顔を見て、私も顔が熱くなる。
だけど、今まで聞いたこともないクサイ台詞に、私は声をあげて笑った。
「花音! 笑わないで、恥ずかしかったんだから」
「だってっ そんな、真っ赤になるなら言わなきゃいいのにっ」
「鍵を見た瞬間、こんな事を思っちゃったんだ・・・」
「新君。 私は大丈夫。 絶対に新君以外に心を開いたりしないから」
笑いながら私は言った。
「いらっしゃい!」
「花音ちゃん、待ってたよ」
と奥さんとマスターが笑顔で私達を迎えてくれた。
・・・しかも、常連さんも集合状態なんですけど!? と私は苦笑。
みんな、私ではなく隣の新君を見てるのは何故なんですか?
「・・・なんか、すごい見られてる?」
と新君は不思議そう。
「今いるお客さん、常連さんばかりなの・・・」
「ここでバイト始めたって聞いてたけど、花音はみんなに可愛がられてるんだね?」
と新君は笑った。
「え?」
「だって、花音が休みの日 ここへ来る時にどんな人と一緒なのかみんな気になったって感じなんじゃないの?」
「ん?」
みんな、私が一緒なのは新君だって知ってるけど?
「今日、ここにご飯食べに来るって話してあったんでしょ?」
「うん」
「だから、常連さんまで揃ってるんじゃないのかな?」
「・・・それは、きっと、どんな人と一緒か気になってるからじゃなくて、新君を久々に見たかったんだと思うよ?」
「え、僕?」
「うん、私達って、このお店では有名だったんだって」
「そうだったんだ?」
いつも食べていた定番のメニューだけじゃなく、マスター一押しの新作まで私達はお腹一杯食べた。
「サービス」
と、かなりお代をまけてもらってしまって、申し訳なかったけど、
「その分、デート代にしてね?」
と奥さんは笑ってくれた。
その気持ちをありがたく受け取る。
「ありがとうございます。 明後日からまたよろしくお願いします」
と私は頭を下げる。
明日もお休みをもらっているから。
新君は、
「ありがとうございます。 とてもおいしかったです、ご馳走様でした」
と王子様スマイル。
奥さんもマスターも嬉しそう。
「これからどうする?」
「そうだね。 何したい?」
「えっと・・・う~ん。 何したいって別に無いけど、ただ一緒に居たい」
私が新君を見上げると、新君も頷いて、
「僕も花音と一緒にいられるってだけで嬉しくて、何しようとか考えてなかった」
と苦笑した。
手を繋ぎながら私達は街をブラブラ。
毎日してる電話の様に、お互いの日常のことを話たり、いつも話題に上がっているお友達の写真をスマホで見せてもらったり。
北海道でも進学校に編入したと聞いていたのに、お友達は楽しそうな人ばかりだった。
変顔の写真が多いし。
時々女の子が写っていて、私は「誰?」と訊いた。
「ん? ああ、この子、隣に写ってる瀬川と付き合ってる子だよ」
「そうなんだ」
と頷くと、新君は少し考え、
「もしかして、やきもち?」
と言った。
「あ・・・あの・・・そう、やきもち かな?」
と私は苦笑する。
「なんだか、ちょっと・・・いや、かなり嬉しいかも?」
と新君。
「え?」
「やきもちってさ、興味無い人に対してしないんじゃない?」
「うん」
「だから、花音が僕を好きだからやきもちやいてくれるんだなって思ったんだ」
「そうだね? 私が会えない時間、他の女の子が新君と過ごしてるだって思ったら・・・」
私は少しウルッとしてしまう。
「ごめんね・・・絶対帰ってくるから」
「うん」
「好きだよ・・・」
新君は私を優しい眼差しで見つめてくれていて、新君からの好きをいつまでも聞いていたいって思った。
「あ!?そうだ! 花音にプレゼントしようって思ってたんだ」
「何を?」
「何か身につけてもらえる物」
「え?」
「さっきの瀬川達の話しなんだけど、彼女が瀬川から指輪をもらったって凄いはしゃいでて」
「うん?」
指輪?
「僕、そういうの花音に渡さないまま北海道に来ちゃった事、後悔したんだ」
「え?」
「花音に僕がプレゼントした物を毎日身につけてもらえたら凄く嬉しいなって思ってさ」
「・・・それは私も嬉しいけど」
「だから、何かプレゼントしたい」
指輪を?
「えっと・・・」
私は何て言ったらいいのか・・・指輪ってとても特別な人に渡すってイメージがあるから。
「指輪はさすがにダメだから、他の物」
えっ!? 指輪じゃなかったの?
「あ・・・うん」
「校則でアクセサリー禁止とかあるだろ?」
「え? あ、うん」
そう言えば、華美にならない服装ってなっている。
普通に指輪やピアスをしてきている人はいるけど生活指導の先生にいつも呼び出されている。
「だから、一見 目に付かない物がいいかな?って」
「そっか! 没収されたら困るもんね! じゃあ、ネックレスかな?」
「それ、買いに行こうか?」
「ありがとう! すっごく嬉しい!」
新君がそんな風に思ってくれた気持ちが本当に嬉しい!!!
二人で色々見て回った。
なかなか決められない私に新君は「焦らなくていいよ。 他に予定もないんだし、ゆっくり決めよう?」と凄く優しい。
「うん、ありがとう」
「気に入ったものが無いなら他のお店に行こうか?」
「違うの、こっちとこっちで迷ってて・・・」
私はピンクゴールドでトップに卵型に天使の羽根モチーフが付いた物と華奢な鍵モチーフの物で悩んでいた。
「そうなんだ? どっちも買おうか?」
と言ってくれたけど、それはさすがに・・・。
「新君は、どっちが好き?」
「僕? ・・・こっち、絶対こっち」
と指をさされた鍵のプチネックレスに決めた。
包装はしてもらわないで、新君が私の首にそのネックレスを着けてくれた。
そして、後ろから耳元でそっと
「花音の心は僕以外、誰にも開かないで・・・花音の心に鍵をかけるから」
と囁いた。
・・・え?
今のは、ネックレスのトップが鍵だから!?
だから、そんなセリフを思い付いたの!?
驚いて私は勢いよく振り返る。
すると、新君は真っ赤だった。
その顔を見て、私も顔が熱くなる。
だけど、今まで聞いたこともないクサイ台詞に、私は声をあげて笑った。
「花音! 笑わないで、恥ずかしかったんだから」
「だってっ そんな、真っ赤になるなら言わなきゃいいのにっ」
「鍵を見た瞬間、こんな事を思っちゃったんだ・・・」
「新君。 私は大丈夫。 絶対に新君以外に心を開いたりしないから」
笑いながら私は言った。