愛されることを受け入れましょう
「積極的に賛成しないが、反対ではないよ。条件だけで考えれば、いっそ理想的とも言えるしね」

なるほど。資産家で御曹司、仕事も出来るし、人望もある。その上、嫁姑の心配もいらないんだから、理想的な好条件だ。

「でも人間、条件と結婚する訳じゃないし、条件だけで好きになれるものじゃないだろう?」

幼馴染に結婚の相談しろなんて、おかしな事言ってるけど、やっぱりちゃんと考えて心配してくれてる。

「そうだね」

笑顔で返事をして、自分の部屋に戻った。


樹くんにお仕事の話聞くだけで勇気使い切りそうだったのに、もっと大事な相談もするなんて自分の心臓がもつ気がしない。

「私、大丈夫かなー‥‥」

ベッドに倒れ込んで呟いた。

とりあえず、明日は早い時間に樹くんのマンションに行こう。話す事も聞きたい事もいっぱい過ぎる。

その時、ふと思い付いてしまった。

もし、ひよりちゃんが聞いてきた噂がホントだったら?樹くんがIT企業の次期社長だとしたら?
私はこのまま、側にいていいんだろうか。


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