愛されることを受け入れましょう

「いますぐじゃなくていい、何年かしてあいつと離れる決心が出来たら、俺のとこに来い。今度はずっと近くで待ってるから」

きしんだ心に沁み入る優しい言葉に、思わず頷きたくなる。でも、そんなの理一君を利用する事だ。

「理一君にも樹くんにも面倒見てもらわなくても、一人で大丈夫だよ。だから、ちゃんと好きな人見つけて幸せになって」

「バーカ。俺だって何年も寝かした初恋なんだ、そんなに早く次に行けるかよ。例え他の誰かと結婚したとしても、柚珠奈が幸せかどうかはずっと気になるさ。だから、お前もちゃっちゃっと覚悟決めて次に進め。俺が進むのはその後だ」

「うん、ありがと‥‥」

ぶっきらぼうな言葉から優しさが溢れ出す。知らないうちに、私の目から涙がこぼれだした。

「ほら、泣くな。泣きたいのはフラれた俺の方なんだぞ」

グリグリと乱暴に私の頭を聞き回すように撫でて、なぐさめてくれる理一君。こんなに優しい人を悲しませただもん、私も強くなって行動しなきゃいけない。ちゃんと自分の足で歩かなきゃいけない。