愛されることを受け入れましょう

「それからあいつの事だけど、ラルブルの事はどこまで知ってるんだ？」

「どこまでって、会社を作った経緯とかは教えてもらったよ。杉浦さんって社長さんは樹くんのおじさんの遠縁で親友なんだって」

「それだけか？あいつの会社での立場とかは？」

「立場ってメインプログラマーでしょ？それから役員でもあるって」

「今は、な。だが、これからもそうだとは限らない」

「え、どういう事？」

「それは直接聞けよ。どうせ今日も迎えに来るんだろ？」

「う、うん‥‥‥」

「あー、でも一個だけ教えとくよ。ラルブルの総資産は軽く億を超えてる。でも会社規模としては小さいからな、役員の数も多くはない。そこで役員のあいつが保有してる株式の評価額は、って考えたら分かるか？あいつは個人としては俺なんかよりずっと大金持ちだ。普通なフリして柚珠奈のそばにいるけど、全然普通なんかじゃないんだ」

淡々と並べられる事実がザクザクと胸に刺さる。