愛されることを受け入れましょう
樹くんはわたしが思ってる以上に手の届かない王子様って事?もうそばにいちゃいけないって事?

「だから、いずれ離れるつもりなんなら、さっさと離れちまった方がいい。
ってことで、俺の話はおしまい。ほら、早く迎え頼めよ」

「あ、う、うん」

理一君の落とした爆弾はまだ処理出来てないけど、ここで考え込む訳にもいかない。促されるままバッグから携帯をだして、ふっと思い付く。


樹くんと理一君、会わせていいのかな?


土曜日だってあんなに剣呑な空気だった。しかも樹くんは昨日、理一君の事を『甘ちゃんな御曹司』って言ってた。
モメる可能性が高いんだから、直接対面は避けよう。

電話をやめてメッセージアプリを開くと、お店の近くの公園で待ってるはずの樹くんに『今からそこに行く』と送信した。

「なんだよ、直接ここに迎えに来ないのか?」

「う、うん。すぐ近くで待っててくれるから。あの、今日はごめんね」
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