愛されることを受け入れましょう
「告白されたら断ったり、距離取ったり出来るでしょ?でも好きって言われてもないのに離れたりしたら、相手を傷付けるかもしれないから出来ない。違う?」


違わない。それが私の考え方だ。


こくんと頷いたら、樹くんが話しを続けた。

「告白されてないイコール好きじゃない、が柚珠奈の理論だから、俺はそれを利用したって事。告白さえしなければ柚珠奈は離れていかないからね」

「そうだけどー。でも、それならもっと早く告白してくれても良かったのに」

好きになっちゃいけないと、あんなに悩んだ日々を返して欲しい。

「それはないな。だって、中学とか高校の時に告白したら、間違いなく振られてたでしょ?」


それも間違いない。今よりも更に劣等感が強かった私が、樹くんの彼女になるなんて畏れ多くて出来なかっただろう。


「だからだよ。だから側にいて、待ってたんだ。柚珠奈が俺を好きって気持ちに気付いて、受け入れてくれるのを」
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