愛されることを受け入れましょう

「待ってても、その時が来ないかもしれないのに？私が誰か別の人を好きになるかもしれなかったのに？」

樹くんはとっても頭がいいのに、そんな可能性に気づかなかったなんて不思議だ。

「そんな事にはならないように、ちゃんと手を打ってあったさ」

自慢げに言う樹くんは、さっき見たちょっと黒い樹くんだ。策士感が半端ない。

「だって柚珠奈の一番側にいるのは俺。初めてどこかに行くとか、何かを経験するって時一緒なのも必ず俺。他の男子が柚珠奈の可愛さに気付き出した時も、近寄る隙は作らなせかったし。柚珠奈が俺以外と親しくなる機会なんてなかったでしょ？」

「もしかして、高校の時に迎えに来てくれてなのは‥‥」

「ふふっ、やっと気付いた？そう、俺が言い出したんだ。迎えに行きますって。あの頃にはもう、おじさん達は陥落させてたからね」

「陥落？」

「素直で真面目な柚珠奈を落とすには、両親に好かれるのはマストだろ？一人娘で大事に育てられてるし、柚珠奈もなんだかんだ言って親の言う事には逆らわない」