愛されることを受け入れましょう
「一度経験してみないと理解出来ないって思ったんだ。
社会人になって色々な人と出会って、そろそろ俺を受け入れられるって予測してたのに、柚珠奈は変なところで子どものままでさ。私なんかって卑屈なままだったから。他の男性と会う事で解ることもあるかもしれないって」

「でも気付いたきっかけは、樹くんが女性とくっ付いてるのを見た事だったけどね」

ちょっと意地悪に言うと、「俺だって完璧じゃないさ」と少し拗ねた。

「あ!っで、あの人は誰だったの?二人で仲よさそうに一緒にタブレット覗き込んでた」

まさか長い片思いを告白された後に、彼女だと言われないとは思うけど、やっぱり確認しておきたい。

「会社の人だよ。杉浦さんの秘書。俺が『手を打った』から、経過報告に来てくれてたんだ」

そういえば昨日。言っていた。理一君がしたように自分も『手を打った』って。でも具体的にどうしたのかは聞いていない。

「簡単に言うと、俺の持ち株比率を上げたんだ。代表は杉浦さんのままだけど、比率だけでいえば俺が筆頭株主。この先、望めば代表にもなれる。ま、杉浦さんは元からそのつもりだけどね」
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