愛されることを受け入れましょう
「ごめん、やっぱりちょっと、理解が追いつかないかも‥‥」

おでこを樹くんの肩に乗せて体の力を抜く。

樹くんの計画はどうやら、好きとか付き合うとかそんな単純なものじゃないらしい。

「いいよ、無理に理解しなくても。柚珠奈は俺を好きでいてさえくれたらいいんだから。そしたら、二人でずっと一緒にいられるように、俺が動くから。
だから、俺を信じて、ずっとこうやって側にいてよ」

くくっと樹くんの笑う声が体に直截響いてくる。セリフも笑いも結構に黒くて、王子様とはかなり違うけど、それも、なぜかイヤじゃない。

「‥‥今日の樹くん、黒いって言うか策士っていうか、いつもと全然違うね」

「イヤ?」

「イヤじゃないけど、驚いたかな。だっていつもはもっと王子様っぽいって言うか、穏やかだったから」

「いつも柚珠奈に見せてた俺もウソじゃないよ、ただ全部じゃないってだけ。だって柚珠奈、王子様な俺、好きだっただろ?」


< 139 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop