愛されることを受け入れましょう
「黒王子じゃなくて、黒策士だ‥‥」

「否定しないな。俺も自分の事腹黒いと思うし。でも、柚珠奈はそんな俺も好きでしょ?」

だからその自信満々が腹立つのよ、ブラック樹くん!とは思うけど、私も否定は出来ない。無言のまま、苦い顔でサンドイッチをかじった。

「ついでにもう一つ言っとくとさ、早い段階で柚珠奈と付き合わなかったのは別の理由があるんだ」

「私が樹くんを好きだって自覚するのを待ってたっていうのとは別の理由?」

「そう。柚珠奈が無邪気な好奇心を持ってるから、なんだ。早い段階で、俺のモノにしちゃったら、きっと柚珠奈は知らない世界を妄想して憧れを募らせる。興味本位で合コン行ったみたいに。でしょ?」


‥‥それも否定出来ない。だってみんなが話してる合コン、行ってみたかったんだもん。

「だから待ったんだ。柚珠奈が社会を経験して、後々変な後悔をしないように」

「それ、高校生の樹くんが考えてたんだよね?」

「怖い?」
< 149 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop