愛されることを受け入れましょう
「柚珠奈は庇護欲をかき立てるタイプなんだよ。籠の中に閉じ込めて、自分だけのモノにしたくなる」

突然、溺愛モードになった樹くんは手に負えないほど甘い。瞳も言葉も空気さえ熱を孕んで、私も赤面してしまう。

「そんなお嬢様みたいな人じゃないよ。私なんか‥‥」

伏し目がちな呟きは樹くんの人差し指にそっと止められる。

「〝私なんか″って言うの、禁止ね。柚珠奈は俺の特別に愛しい人なんだから、貶めないで」

きっと、こういうのを愛されてるっていうんだ。私自身を丸ごと、少しも否定されずに愛される。

「でもさ、って事は理一君も柚珠奈の事は本気だったって事だよな。ちょっと安心したよ」

「安心?」

立場的に恋敵の理一君に安心っておかしいと思う。

「だって、柚珠奈を本気で、本心から好きで理解してくれてたって事だろ?いい加減な気持ちで柚珠奈に近づいたんじゃないなら、許せるよ」
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