愛されることを受け入れましょう
随分昔の記憶が出てきたなー。


閉じた瞼の上から日光を感じて、ゆっくりと目を開ける。

暖かな日が差し込むリビングとふかふかのソファー。お昼寝には完璧な環境で、うたた寝しない方が失礼ってもんだ。
問題は、ここが我が家じゃないって事だけど。

「柚珠奈、起きたの?」

いつの間にか掛けられていたブランケットをどかしながら起き上がると、キッチンから心地よいバリトンボイスが聞こえた。


お日様に透けるとはしばみ色に見えるサラサラの髪の毛。ダークブラウンの瞳とスッと高い鼻梁が完璧に配置された顔はチタンフレームのメガネに引き立てられて、知的度を上げている。

生粋の日本人なのにハーフっぽいのはきっと、色素が薄いのと彫りが深いから。時々間違えられて英語で話しかけられるんだって笑って教えてくれた事もある。

180センチの身長と細マッチョなボディは昔、友達のひよりちゃんが言ってた、男性として理想的な体型そのものだ。

「柚珠奈?どうかした?」

返事をしない私を心配そうに見つめるその顔は優しさに溢れていて、ホント完璧。
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