愛されることを受け入れましょう
私たちのそんな状況を知った友達からは

「それ、付き合ってる以外の何物でもないでしょ」

って言われたけど、違う。

「それって柚珠奈のこと、好きってことだよ」

とも言われたけど、絶対違う。


合コンの時以来、たまに抱きしめられる事はあったけど、それ以外のスキンシップはないのだ。お出掛けの時に手を繋ぐのだって、人混みが激しくてはぐれそうな時だけ。もちろん、キスもした事がない。

‥‥‥まぁ、私はキス自体したことがないけど。


健康な男子が好きな女の子と一緒にいて、触れたいって思わない訳がない。イコール私に触れない樹くんは私の事が『女子』として好きなわけじゃない!

付き合ってるわけでも、好き合ってるわけでもない年頃の男女が家族でもないのにずっと一緒にいるなんて、不健全だと分かってる。
だから私も現状打破しようと提案したこともあるんだ。



「ね、樹くんは彼女作っていいんだよ?私の事は気にしないでさ」

内心、もの凄い決意で言った言葉だったのに、樹くんの反応は静かに微笑むだけだった。
< 30 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop