愛されることを受け入れましょう
「ちゃんと恋愛、か。そうかな? ホントに柚珠奈は自分が恋愛してこなかったと思ってる?」

「う、うん。だって付き合ったことないし、片思いしたこともないし」

小さかった時の樹くんへの気持ち以外には。でもそれだって恋愛未満の気持ちだし。

「‥‥‥そうか。じゃあ柚珠奈、理一君にお願いして合コン、行っておいで」

「え!? 合コンに行くの?理一君の事かんがえるんじゃなくて?」

「そう。柚珠奈も言ったけど、理一君に告白された訳じゃないだろ。それに柚珠奈自身が理一君の事を好きな訳でもない。そんな状況でどれだけ考えてみたって結論なんて出るわけがないんだ。それなら、いっそ合コンに行っていろんな男と話して、自分の感情の整理をした方が状況を正確に理解できるはずだよ」

さすが理系男子だ。恋愛相談の回答でさえ、ロジックが完璧。

「そっか。‥‥‥分かった。じゃあ明日、さっそく理一君に頼んでみる」

「うん。でも柚珠奈、約束してほしい事があるんだ」

「約束?」

「大事な約束だよ。一番大事な事」

そう言うと樹くんは、両手で私の頬を包んで樹くんの瞳に映った私が見えるほどの至近距離で言った。
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