愛されることを受け入れましょう

染めたことのない真っ黒な髪をショートボブにしたクールビューティーな外見と同じく、他人の意見に左右されない性格と女子には珍しく一歩引いて友達と大人な距離感をとる、しっかり者の由紀ちゃん。仕事が忙しくてお休みも不規則な由紀ちゃんとは卒業して会う事はあんまりないけど、大事な時には声をかけたくなる信頼出来る友達だ。

今回も一緒に行ってくれたら心強いと思ってダメモトで声をかけたら、

『柚珠奈の人生にとって大事な事なんでしょ？』

と快諾してくれた。

会う機会が多い訳じゃないけど、やっぱり大切な友達だ。


「で？どういう経緯なのか最初から説明してくれる？」

ピザの最後の欠片を口に放り込んで、ひよりちゃんが聞いてきた。食べ終わるまで我慢したので、これ以上は待てないのだろう。咀嚼しながら視線は私にロックオンして離れない。

「どういうって、特別に決心して計画した訳じゃないの。なんていうか、話の流れ？」