愛されることを受け入れましょう
2.
「可愛いね」
樹くんは小さい頃からいつも、口癖のように言ってくれた。きっと、その回数は両親より多いくらい。
幼稚園の頃から、手を繋いでお散歩する時はいつでも車道側を歩いてくれたし、荷物だって持ってくれた。
そんな小っちゃな頃にエスコートが出来てるなんて普通じゃないって今なら分かるけど、当時の私にはそれが普通で、出来ない男の子を不思議に思ってたくらい。だって樹くんはそれが通常運転だったから。
そうやって私を大事にお姫様扱いしてくれる樹くん自身は、見た目も中身も王子様だったから、自然と私の初恋の相手は樹くんになった。
でも、初恋は叶わないものなのだ。
樹くんへの淡い恋心を抱えたまま小学生になった私は厳しい現実を知る。
どれだけ樹くんにお姫様扱いしてもらっても、私はお姫様じゃない。お姫様にはなれない。それどころか、町娘5くらいでしかないって厳しい現実。
それは小学生の私を打ちのめすには十分な威力だったけど、だからこそ十歳にも満たない年齢でその現実をしっかりと受け入れる事が出来たんだろう。
私は初恋をきっぱりと諦めた。
樹くんは小さい頃からいつも、口癖のように言ってくれた。きっと、その回数は両親より多いくらい。
幼稚園の頃から、手を繋いでお散歩する時はいつでも車道側を歩いてくれたし、荷物だって持ってくれた。
そんな小っちゃな頃にエスコートが出来てるなんて普通じゃないって今なら分かるけど、当時の私にはそれが普通で、出来ない男の子を不思議に思ってたくらい。だって樹くんはそれが通常運転だったから。
そうやって私を大事にお姫様扱いしてくれる樹くん自身は、見た目も中身も王子様だったから、自然と私の初恋の相手は樹くんになった。
でも、初恋は叶わないものなのだ。
樹くんへの淡い恋心を抱えたまま小学生になった私は厳しい現実を知る。
どれだけ樹くんにお姫様扱いしてもらっても、私はお姫様じゃない。お姫様にはなれない。それどころか、町娘5くらいでしかないって厳しい現実。
それは小学生の私を打ちのめすには十分な威力だったけど、だからこそ十歳にも満たない年齢でその現実をしっかりと受け入れる事が出来たんだろう。
私は初恋をきっぱりと諦めた。