愛されることを受け入れましょう
12.
待ち合わせ時間きっちりに入った店内、男性陣はすでに席に着いていた。

理一君が予約してくれたのは、明るい照明と白い壁が清潔感を感じさせる、お洒落な洋風居酒屋さん。間接照明で暗めの、ムードあるお店だと場慣れしてない私が困ると思ってくれての選択だろう。
個室だけどゆったりした空間だし、隣や前との距離が近過ぎないのも嬉しい。

「はじめまして!お待たせしてすいませーん」

にっこりとひよりちゃんが挨拶してしてくれる。

男子受けのいいひよりちゃんは女子からやっかまれる事もあるけど、これは彼女の完全なる自然体だ。そういう意味では、さっきの矢口さんとは真逆。

「いえいえ。俺たちもさっき着いたとこだから」

明るく応えてくれたのは、理一君の右隣、真ん中の席に座る垂れ目のイケメン。
体にフィットしたダークネイビーのスーツはオーダーメイドだろうか。オーソドックスなデザインなのに高級感を感じるし、きっちり着こなしてるから嫌味もなくて素敵だ。

「とりあえず座ってよ。自己紹介の前に飲み物たのんじゃおう」

理一君の言葉に私達も席に着いて、とりあえずのビールを頼んだ。

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