愛されることを受け入れましょう
「じゃあ、まず。柚珠奈の従兄弟の松木理一です。俺の事は多分、柚珠奈から色々聞いてるだろうからとばすね。まず、隣が大学の友達の笹又侑二」
「初めまして、笹又侑二です。今は商社で営業やってます」
「で、俺は二人の一つ後輩の麻生和樹です、初めまして。病院勤務ですって言っても医者じゃなくてただの事務員です。だから安月給なんだけどね」
人好きのする穏やかな表情で言うのは、右端に座った彼。筋肉質でガタイの良いスポーツマン系イケメンだ。
「何言ってんだか。お前はあえての事務局だろうが」
麻生さんの肩を小突いた笹又さんが補足した。
「こいつの実家、麻生総合病院なんだ。で、医者になった兄貴と後継者争いしないように、ワザと経済学部入って来たの。医学部も受かってたのに」
「そんなカッコいいもんじゃないですよ。単に血が苦手なだけの情けない理由なんですから。だから身を引いた訳じゃなくて、全員にとって最良の選択なんですって。
俺の事言うなら、笹又さんだって!父親は銀行頭取だし、勤務先の会長はおじいさんなんだし、御曹司じゃないですか」